1月1日~4日

1月1日

まだ初夢ではないがやたらやらしい夢を見て起きた。

おせちを詰め、お雑煮を食べてと例年と変わらない正月。初詣も徒歩圏ですませる。おみくじは小吉。引っ越しはやめろ、縁談は思ったほどには早くまとまらないという内容。帰り、ブックオフのウルトラセールで「小さな家の暮らし」購入。私の実家は駅からバスで15分程度の距離なので、ペーパードライバーとなってしまった今はこのブックオフくらいしか行く場所がない。実家に帰る度ゴミみたいな本を読んでしまう。

午後は渡辺の家に持っていく釣書を書かされる。左に母、右に父が座って私の手元をじっと見ていた。口が臭い。苛立ちしかなくガリガリと殴り書きをする。有名な高校を出て、国公立の最高学府を出て、有名企業に働く娘、外資系企業を定年まで勤めた父、見せびらかして楽しいのだろうか。ふつうに悪趣味と思う。

自分の経歴は普通に弱みになると思う。笑っているが触れられるのも嫌だ。夕方からは布団に籠って本を読んでいた。

1月2日

東京に戻ってこられた。

新幹線の座席にて、後ろが幼児。2時間近く背中を蹴られ続けられる。読んでいた本が重たいテーマだったからか、思うように寝られず半端に目覚めたからか、軽く酔う。

エリックサウスでスパイス初めをしたかったが17時閉店のようだった。そりゃそうだよね。まだ2日なのだ。品川で降りる。かきたねキッチンに寄ったが年末年始はカップのはかり売りはしてないようだ。そりゃそうだよね。breadworksで食パンアソートを買って帰る。山手線は人が少ない。いつもこうならいいのに。

家でジャスミンライスを炊いて中村屋レトルトカレーをかけて食べた。そしてお菓子も食べる、食べる。実家でやたら胃が広がった勢いのまま、やけ食いに近い。レーズンバターにまで手を出したのがいけなかった。胸やけで寝付けなくなる。

牧田のことをじめじめと考え時間だけ過ぎていく。執着だけが最後に残るものらしい。セルシン1錠服用して目を閉じた。

1月3日

朝いちでルミネのバーゲンに。ユナイテッドアローズでニットの色違いだけさっと買うつもりが、欲を出してスカートの試着をしようとしたら順番待ちに巻き込まれ、ぐったり。相当のぼせる。結局判断力の鈍ったところに、これ以上少しでも太ったら即苦しくなりそうなタイトスカートを買ってしまった。私のあとは試着が20人待ちとか言っていた。

昼から渡辺と高幡不動で初詣。ここもすごい人出だった。今年は回廊下のさい銭箱に投げ入れ、2秒程度無病息災を願って離脱。露店で大阪焼き(卵と紅ショウガが入ったしょっぱい大判焼きみたいなの)と鈴カステラを買い食い。おみくじの列が40人くらいになっていたので諦めた。参道で、去年と同じ開運そばを食べた。

初詣の後は渡辺の部屋に行き昼寝をした。早速釣書の下書きをしていて、こういう行動本当はえーなと感心した(店の予約などもだいたい当日中にやってしまうタイプ。偉い)。書きにくい項目(健康状態など)は無理しなくても…と言ったら、こういう聞きにくい項目こそあった方がいいともっともな意見。任せることにした。家系図まで書いていた。11人兄弟とか凄まじかった。

渡辺の母に兄弟の名前があったので、以前兄弟いないと言っていたけど? と聞いたところ、お兄さんは養子に出て、妹さんは幼いうちに病気で亡くなったとのこと。生きていても家族でなくなることがあるし、死んでしまったらいないと言うことになるよな…と自分の想像力の限界を知る。身につまされる感じ。

ちゃんこ鍋を作って食べた。この時間になると渡辺はやはり無精ひげが伸びてくる。かなり人相が悪い。私の誕生日(5月)のころまでには籍を入れてはどうですかという話をされて具体的だったのでびっくりした。あと独身でいられるのが数か月だと思うと急に惜しくなる。クズだな。あと養えるのかどうかはどうしたって怖い。私は結婚を躊躇する男を非難できない。

自宅に帰って「君の名は。」を見始めたがすぐに飽きた。

1月4日

前から映画を見る予定をしていたのにダラダラ寝過ごしてギリギリになった。明日から仕事なのに大変不安。多分また最初の数日頭働かないんだろう。

バーゲンで買った緑色のスカートを履いて出かける。渋谷のごみごみを抜けていく気がなくて神泉から松濤を抜けて渋谷アップリンクまで歩いた。最終日二日前の「パターソン」は満席。

「パターソン」。2-3万のギターをおいそれと買えない切実さの中で、部屋の模様替えで一日を過ごし誇大妄想気味で料理が下手な妻のローラにイラッと来そうな場面はいくらもありそうなんだけど(だから「他の女のことを考えたい時がある」という一節はドキッとする)、愛ってそういうこと? なんだろうか。

松濤のベローチェでそのままコーヒーとナポリタンを食べて「仕事なんて生きがいにするな」読了。井の頭線で地元に戻り、スーパーで買い出しをして帰宅。胃もたれで部屋でゴロゴロしたり、アイロンかけたり、ニットの毛玉取ったりして明日が来るのに抵抗する。何枚か来た年賀状の返事を書いた。写真つき年賀状を送ってくるタイプの友人はあまりいないが、家族連名の年賀状が来るだけで本当に偉いぜ! と思う。携帯電話の連絡先も知らん同級生に「関西出張の折にはごはん行こうね!」と白々しい返事を書くなど。

夕飯はごま豆乳鍋にした。餃子の餡とニンジンのマリネを作り置き。

 

明日から仕事始めだ。気が付けば東京暮らしも10年近くになろうとしていて、今年は色々身辺も変わりそうな気がする。自分のために文章を書いておくことにする。